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イタドリの収穫は春!高知の郷土料理を作ろう[アク抜きと保存方法・食べ方まとめ]

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毎年4~5月頃に採れる高知県民にとってかかせない春の味覚といえば、タデ科の多年生植物イタドリです。中は空洞で節もあり、形状は少し竹に似ています。
若い茎の皮を剥いてからアク抜きをし、油炒めや煮物などの調理をして食べる、春の山菜(野草)です。炒めたときのコリコリとした歯ごたえがクセになります。

あまり長くなく、太い茎のものが良いといわれますが、写真くらいのサイズでも十分美味しいです。ただ、育ちすぎると繊維が硬くなり食べられません。

母は「タケ(竹?)たのはあかん」とよく言っていました。5月に入るとちょっと硬くなってしまうので4月中旬くらいがおすすめです

高知以外でも食べられていますが少数なため「イタドリ美味しいよね〜」と通じて盛り上がるのは高知の人とばかりです。

今年久しぶりに誘われてイタドリを収穫してきました場所は兵庫県のとある田舎。

全国で暮らす高知県民がイタドリを河川敷で見つけては必死に採っているため、だんだん知名度が上がってきているらしいというウワサがあります…(笑)

実際、土手でイタドリ収穫中におばちゃんたち3人に話しかけられました。

みなさん、「何採ってるの?どうやって食べるの〜?」と質問しつつ「あっちにもっと美味しそうなのが生えてるわよ」「アク抜き大変よねぇ」と実はけっこう詳しそうでした。

知ってはいるけれど面倒だから採ってまでは食べないという感じです。

イタドリについて

虎杖・痛取
竹のような見た目で、赤っぽい斑点が特徴です。
春の新芽である若い茎はやわらかく、収穫して下処理をして山菜として食べられます。皮をむいて生のままかじるとエグみがありとても酸っぱいです。

高知県では朝市など野菜の直販所でも並ぶくらい人気ですね。

高知県民が聞いたら驚くと思いますが、なんと世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれています。19世紀に日本からイギリスへ観賞用として持ち込まれたのが、在来種の植生を脅かす存在に…。

旺盛な繁殖力を持ちアスファルトを突き破って生えるなどの被害が出たため、2010年にはイタドリの天敵となる虫の輸入を決定したとか。

ジャムにするなど有効活用できたら良かったのにとも思ったものの、そこまで調理をしてまで食べようとはしなさそうですね。

イタドリの生える場所・採り方

田舎の道端や川の土手など、湿気の多いところに生えやすいです。
私にはさっぱり分からないのですが、生える土手と生えない土手があり、それを高知県民は見分けているんですよね…。「ここには生えそう」というのがあるようです。

毎年同じところに生えてドンドコ成長するので、ベストスポットを見つけると探す手間はなくなります。

ただし私有地への立ち入りは避けたほうが良いと思います。民法に「権利の濫用」があるのですが、一般常識の範疇を超えないように注意が必要です。

河川は国や自治体の管理(一部除く)ですが、山やその他土地はほとんどが私有地なので、勝手に立ち入らないようにしましょう。

イタドリの採り方

土手の斜面に生えているイタドリを採るのはけっこう大変です。

なるべく軍手をし、イタドリの根元をポキっと折って収穫します。茎がしなってうまく折れない場合は根元を切ります。

蛇がヤブの中に隠れていることもあるので、苦手な人はお気をつけください

イタドリの下処理①|皮をむく

収穫もそれなりに大変なものの、もっと手間なのがイタドリの皮むき!

私も子どもの頃から「一緒にむきなさい!」と言われつつ、3本くらいむいたところで飽きて逃げていました。

イタドリに切り込みを入れた水車もどきを作ってもらって、カラカラと回して遊んでいました。

高知県の中村出身の高知郷土料理プロ級の母がむいている様子。
少し天日干しにするとむきやすくなると言われていますが、うちではなぜかは分からないけれど「美味しくなくなるからダメ」と教えられました。

果物用ナイフで端からピーッとむいていきます。指やピーラーでもOK。

葉は料理には要らないので捨てますよ~

…と思ったら!

2019年にイタドリ茶なるものが発売になっています。研究の結果、イタドリの葉には脂肪燃焼効果があることが分かったとのこと

捨てなければ良かった(笑)イタドリの葉をお茶にするのは母も初耳だと言っていました。
とりあえず、機会があれば自作してみようかなと思っています。すでに市販もされています。

イタドリの下処理②|アク抜き

皮をむいたイタドリをそのままかじると、とても酸っぱく独特のエグミを感じます。シュウ酸が含まれているためです。
久しぶりに採りたてを食べてみると、懐かしい酸っぱさを感じました。母の子ども時代にはおやつ代わりにかじったりしたそうですが、そんなに量を食べられるものではありません。

このままでは酸味が強すぎて美味しくないのと、シュウ酸は摂りすぎると結石の原因にもなるので下処理としてアクを抜きます

このアク抜きは家庭により色々な方法が取られていますが、主な2種類を紹介します。

私の実家では昔は熱湯にくぐらせてから水にさらし塩漬け後に冷蔵保存でしたが今は少し進化しました。

翌日に調理する場合

  1. イタドリの皮をむき適当な長さに切る。
  2. お湯を沸かし塩を適量加える。
  3. お湯にイタドリを入れ、色が変わるまで混ぜる。ゆでるというより湯通しする感じで。加熱しすぎると歯ごたえが残念なことになるので注意。
  4. ザルに上げて水に取る。
  5. 大きめの容器に、水とイタドリを入れて一晩置く(何回か水を換えると酸が抜けやすいです)

翌日に食べる場合は、下処理をしてもある程度の酸味は残っているような感じです。

保存に便利な塩漬けにする場合

  1. イタドリの皮をむき適当な長さに切る。
  2. ポリバケツや漬物用の樽にイタドリを入れ、塩を軽く全体に馴染ませて重しをする。
  3. イタドリから水がたくさん出るので一度水をきる (水洗いはしない)
  4. 再び少し多めの塩を入れて馴染ませ半日くらい置く。
  5. イタドリから出た水をきり、最後に塩まみれにさせる。
  6. 1回に調理する分ずつ、ジップロックへ小分けにし冷凍庫へ。

イタドリの下処理③|塩漬けしたものは冷凍保存

冷凍庫で保管すると、1~2年は食べられます。
調理の際は塩抜きをしてから使います。

一昼夜、水にさらして塩を抜きます。何度も水を換えながら少しかじってみて塩が抜けたなと感じたらOK

高知県民の冷凍庫の中身を公開

親戚のおばちゃんに冷凍庫を見せてもらうと、去年までのイタドリがまだまだ残っていました!きれいに整頓されていますね。
ちなみに私の母は整理整頓が下手くそな人なので、詰め込みすぎてお見せできません。

ずっと週6フルタイムで働いている人なので仕方がない。両親ともにお金以上に仕事自体が大好き人間すぎて私の肩身がせまいです。

私の家の冷凍庫は冷凍した野菜、お弁当用の冷凍食品とパスタ、サーモンの刺身、タピオカミルクティー、アイスクリームでいっぱいです

一番美味しい食べ方は「豚肉炒め」

うちではもっぱらこの食べ方です。豚バラ肉を炒めながら黒コショウをふり、脂を適度にとってからイタドリを加えて炒めます。

味付けは、砂糖・酒・しょうゆ・ほんだし 適量。お好きな味付けで、かつおぶしをかけてどうぞ

イタドリが通販でも買える時代に!

なかなか楽しかったので、また来年も採りにいきたいです。ただ、私の親世代がいなくなったら、もうみんなあまり採りにいかなくなると思うんですよね。

うちも車はもたないので、田舎のほうまで行くこともできないし、近所は都会なので見つけても食べたくないし…。そこまでする情熱はないしで。

きっと、これからはイタドリもネットでお取り寄せができるようになるはずと思ったら、すでに便利な塩漬けが販売されていました

いつか利用するときが来るかもしれないので、エバーノートへメモしました。私にとっては悲しいことなので、あまり考えたくないけれど…。

全国区になりつつあるイタドリ、もし食べる機会があればぜひ一度試してみてください

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