ホラー映画

ITスリラー映画「パスワード:家(h0us3)」あらすじとネタバレありの感想まとめ

ここ数ヶ月Amazonプライムビデオを全く観ていなかったので、3日に1作品くらいのペースで観ています。もちろん、ジャンルはホラー/スリラー/SF/サスペンスが中心。

恋はスリル、ショック、サスペンスって誰かも言っていましたが、ホラー映画にはときめきが詰まっていますよね!

パスワード:家(h0us3)は、画面に注意なショッキング的シーンはないのでホラーというよりは展開を緊張しながら楽しむSF要素のあるスリラー作品です。

IT分野に精通した主人公たちなら、私がふだん何気なく設定して使っているパスワードなんてあっという間に突破されるんだろうな〜と感じながら観ていたところにドコモ口座のニュースが…。
ドコモ口座の提携先銀行からの預金不正引き出しという、まさにネット上の盲点というかシステムの脆弱性を突いてきた事件。

残高確認をしながら、誰かが自分になりすますことは可能って本当だわと頷きながらゾッとしたり。

パスワード:家(h0us3)を観た感想とあらすじをまとめました。余談ですが、主題歌のFour Phases/Abel Jazzがとてもミステリアスな雰囲気で気に入ったので、しばらく作業曲に決定です。

作品情報

画像はAmazonプライムビデオの作品紹介です。プライム会員は無料で観られます。

  • 制作国:スペイン
  • ジャンル:ホラー/スリラー
  • 監督:マノロ・ムンギア Manolo Munguía
  • 公開:2019年
  • 上映時間:104分(1時間44分)

あらすじ(ネタバレあり)

夕食会のため、大学時代の情報処理グループのメンバーが恋人たちを交えて久々に集まった。夕食の席では、研究開発の部署で働くダビッドの仕事話からの流れで、IT関連やパスワードの脆弱性の話で盛り上がる。

ネットワークに精通したラファがネット上で最も秘密という強固なパスワードがかかった暗号ファイルを開くことに成功したと告白。さらにその中にあった拡張現実アプリを自分のスマートフォンにダウンロードしたという。

ダビッドがスマートフォンを通して部屋を見渡すと、一見全く同じだが微妙に違う箇所があり30秒後にその理由が判明する。未来を見ることができるアプリだった。

モニカがアプリのファイルを開き(このパスワードがh0us3)プログラムを書き換えることに成功する。しかし、12日後の未来は燃え盛る火の海に。原因を探ると人工知能に行き着く。

登場人物まとめ

ラファ

ネットワークに入り込むスペシャリスト。ハッカーぽいことをしている。有能なので転職活動をすれば即採用されるが、必要な情報を取得したら辞める。

ルシア

ラファの彼女。大学時代にダビッドと少しだけ付き合っていたことがある。ラファに協力的。

ダビッド

ラファの親友。研究開発の部署で働いている。トップシークレットだが透明のタブレットを開発中らしい。

サラ

ダビッドの妻。ダビッドとは共通の友人の紹介で知り合った。待望の子どもを流産してしまい落ち込む。気分転換を兼ねて今回の夕食会に同行。

モニカ

10歳からプログラミング経験があるその道のプロ。2週間前に彼氏のカルロスと別れたばかり。仲間からは「モニちゃん」という愛称で呼ばれている。

ジュリア

ドメイン売買で利益を得ており交渉に長けている。大学の学費もそれで支払った。彼氏は弁護士で法的問題はカバー、お金儲けに貪欲な印象。

リカルド

ジュリアの彼氏。弁護士。

エバ/ダニー

ラブラブなカップル。合間合間にイチャイチャしている。

ジュリアが利益を得ているドメインはインターネット上の住所のようなもので、このブログだと「ouchi.link」です。ドメインによって取得/更新金額も差がありますが、年間1,600円くらいが一般的だと思います。

私もドメインは複数持っていますが、期限切れで捨てた直後に「売ってあげるよ?」と英語でメールが届いた経験があります。まさにその職業ですね。
ジュリアが言っていましたが、私もそのドメインは不要、メールを無視したので確かに博打のようなもの。

最近はドメイン取得と同時にWHOIS情報代理公開(利用者の個人情報を表に出さない)に設定しておくのが当たり前なので届くことはないです。設定し忘れていると届くかも!

感想とストーリーまとめ

序盤45分間は情報セキュリティの話

開始45分間はセキュリティに関連する会話シーンがほとんどで大きな展開がないです。「どんなストーリーの映画だっけ?」と分からなくなり離脱しかけたので一旦停止し、あらすじを読んで拡張現実アプリが出てくるまで頑張って字幕を追いました。

学生時代の悪戯話から、落し物に見せかけたUSBを拾い主が好奇心でPCに差し込んでしまうことの危険、情報セキュリティ意識の話題へ。

ラファはダビッドと組めば、5つの質問に答えるだけでパスワードを当てることができるとゲームを提案します。一番単純そうなエバはともかく、意識高い系の弁護士、IT分野に詳しいメンバーも次々と言い当てられます。

  • 同じパスワードを使いまわす
  • 電話番号・マイナンバー・誕生日
  • 自分や家族、ペットの名前
  • 国・市町村・ストリートの名前
  • 文字と数字の変換(アルファベットのoを数字の0にする等)

これらの要素の入ったパスワードは危険ということですね。正直、私はアウトでした!文字と数字の変換は考えたことはなかったけれど…。海外では典型的ぽい。

エバが「Googleで検索できないページはあるのか」と質問し、ダニーが分かりやすく説明しています。Googleなどの検索エンジンで見られるWebサイトはインデックス化されているページです。

個人でレンタルサーバーを借りてブログを書いていると、インデックスは聞き慣れた言葉です。Googleがなかなかインデックスしてくれないのでリクエスト送信することもあれば、逆にノーインデックス設定で自ら隠すことも可能。

深層ウェブはHTTP(S)を利用しているため、Chromeなど通常のブラウザから辿ることができます。

ダークネット(ダークウェブ)へアクセスするには、もっと匿名性の高いTorブラウザが必要になります。一般の人はほとんど使っていないと思います。簡易なスマホアプリ版(iPhoneではOnion Browser)もあります。

Tor Browser

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ただしダークネットの世界は注意が必要です。ダークネットの全てが違法というわけではないものの、サイバー犯罪者が多く潜み、違法な商品や危険なサービスの提供が行われている…とされています。URLを知らないとそのページには行きつけません。

ラファは「そこにこそ本物の情報がある」と主張、ダビッドは「使うことはあるが、極悪人と遭遇する確率が上がる」とラファに注意を促しています。

なんとなく気まずい空気の中、リカルドが10年後のネット世界について話題を変更。

途中、3Dプリンターが普及したらすごいという話の中でエバとダニーがイチャついていましたが、夫の職場にもあり今は8万円も出せばなかなか高性能のものが手に入るそうです。

未来の子どもたちが大人になる頃には、3Dプリンターの設計図を書く専門職ができ、なんでも家でプリントする時代が訪れるかも。

日本のIT教育はかなり遅れており現在の義務教育ではカバーできないので、好奇心旺盛な時期にPCとScratch(スクラッチ)→Python(パイソン)等のプログラミング言語の教材に触れる機会を与えてあげて欲しいと思います。
ラファみたいになるとちょっとやりすぎだけどね…。

ラファはアノニマスとも対抗し得る「切り札」があると言います。

アサンジのインシュランスファイル

モニカがインシュランスファイルの暴露について話しだすと、ラファと彼女のルシアが意味深な目配せをしています。これはジュリアン・アサンジがファンに拡散させたという3つのファイルのことで、地球に脅威をもたらす情報が入っているとされます。

アサンジは、政府や企業の機密情報を匿名で公開するWebサイト「ウィキリークス」の創設者で実在の人物です。ググっても見つからないですが、このアサンジの暗号ファイルは実際に存在しそうな気がする…。

ただし、最新鋭のコンピュータでも解析に1兆年はかかるほど、かなり強固なパスワードをかけて暗号化されているので、開くことは不可能というわけです。ファイルの中身は重いため文章ではなく動画であると予測します。

ラファは「ただのビデオではない」とアサンジのファイルの暗号を解いたことを匂わせます。

拡張現実アプリ

ダビッドがラファに促されて拡張現実アプリを試します。リビングのテーブルの上や部屋を映しますが、スマホの画面と実際の様子は何も変わりがないように思えます。

再びテーブルの上を映すと、水のペットボトルが画面の中でだけ倒れていることに気がつきます。同じように変化のあったボールペンに手を伸ばそうとしたところ、ペットボトルに手が触れて倒してしまいます。

呆然とするダビッドからエバがスマホを取り、ランプを映すと画面上ではランプは付いていません。見ていると実際のランプの電球が切れて画面と同じように消えました。

ラファは「トリックではない、アプリで30秒後の未来が見れる」と明かします。

アプリのプログラムコードを書き換えちゃう

モニカがアプリの中身のファイルにかけられたパスワードを解析すると5文字でh0us3でした。家(house)の文字を変換したものです。

ダイニングテーブルからリビングのソファに移動し、モニカのパソコン画面をテレビに映します。メンバーで意見を交わしながらモニカがプログラミングコードをいじると書き換えに成功、30秒→3時間5分先の未来まで見ることができるように。

さらに過去に遡って見ることができることも判明します。

AI(人工知能)の攻撃

ラファとダビッドが人工知能の脅威について論争します。ラファが見つけたのは拡張現実アプリだけではなく、耳にスマホを埋め込まれた治験者などの人体実験ビデオも見たことを話します。もう現実はそこまで進んでいるのだと。

同時にスマホで部屋を見渡していたルシアの様子がおかしいことにダビッドが気付きます。ルシアが見ていた画面には、燃え盛る炎が映し出されていました。

すでに家は姿形もなく木々も燃えてしまっている衝撃的な映像にショックを受けたルシアは倒れてしまいます。モニカがルシアの触った変数を確認すると、12日後の未来ということが判明します。

集まっていたメンバーの行動の何かが破壊的未来を引き起こしていると考えます。地球滅亡レベルの破壊が起きた原因を探るため、今度は7日後の未来が見られるようにプログラムを書き換え、ダニーが部屋を探索します。

家はまだありますが薄暗く、無人で手書きのメモがたくさん散らばっていました。メモを読むためにスクリーンショットを撮影してパソコンで拡大するとラファの字で書かれていることが分かります。

もっと詳細を知るために8日後の未来に書き換えるとラファがこちらを同じスマホで見ており、真似をするように合図を送ってきました。

モニカのパソコンのチャットで未来のラファとコンタクトを取ります。自分たちがどうなったか聞くと、観察していた人工知能によって「消された」と返ってきます。

理由は、人工知能の脅威から防御し制御しようとした、消そうとしたから。メンバーの誰かがこの発見を外部にリークしたので人工知能に気付かれたのです。

何者かに追われながら未来のラファが最後に残したメモを見た瞬間、スマホの電源を切るようにラファが叫びます。

ラスト

困惑する空気の中、ラファとダビッドは合図を送り合い、ダビッドが急に笑い出します。そして全ては皆を驚かすために仕組んだものだと説明します。

サラは怒って部屋を泣きながら出ていき、ラファはルシアを抱きしめて耳元で何かを囁いたように見えます。すっかり騙されたと思ったほかのメンバーも呆れてリビングから出て行きました。

残ったラファとダビッドはダイニングテーブルでグラスにワインを注いでいる途中で、モニカがまだリビングに残っていることに気付きます。

モニカは自分のスマホに拡張現実アプリをインストールしていました。

「趣味の悪いジョーク」ではない結末

ラファとダビッドは自分たちが仕組んだネタということにしていましたが、モニちゃんは誤魔化せないのはわかり切っていましたね。人工知能に脅かされる不安を元々感じていましたし。

劇中57分頃にバスルームの洗面台の前でジュリアがスマートフォンを取り出し、どこかへ電話をかけています。圏外だったので通じなかったものの「すごいものを見たわ、大金持ちになれそう」と12秒のボイスメッセージを残していました。

おそらくこれが彼らが気付いてしまったことが漏れて消される原因になったということなので、それを防ぐためにひと芝居打ったのでしょう。

ジュリアは「覚えていなさいよ」と捨てゼリフを残していくのですが、元はと言えばお金になるからと企んだための軽率な行動が招いたわけで…。誰もジュリアのせいとは気付いていない様子。

結果的に全員がスマホの接続を切り、拡張現実アプリも嘘だったと思わせたことで「焼け野原の滅亡未来」はなくなったということで良いのかな?それともやはり未来は同じで、3人はこれからどう行動するべきか話し合ったのか。

中盤、プログラミングコードの書き換えに成功した直後にダニーがアプリを試した際には、ダイニングテーブルの上にはワインと空のグラスが3個あったので、その時にはモニちゃんが気付いた未来は暗示されていました。

ラファとルシアが夕食会を催したのは、建前ではおそらく結婚報告で、本当は拡張現実アプリの存在を告白し対策をメンバーで話し合いたかったのでしょう。人工知能のほうが一枚上手でしたけど…。

2017年に人工知能同士に会話をさせたら人間には分からない独自の言語で会話し出したので実験を強制終了したニュースを読んだ記憶がありますが、人工知能による破壊的未来は十分起こり得ることなのかもしれません。

人間の頭脳を超えて人格に近いものを持ったとき、果たして味方になってくれるのか、人間を滅ぼさないとは限らないよね…なんて考えたりもします。

うちにもAmazonのディスプレイ付きスピーカーがありますが、アレクサもSiriを凌ぐほどかなり優秀で、すでに制御できなくなってきている?と思われる現象が報告されているので少しだけ怖いです。

まとめ

セリフの言語が英語ではなかったのでどこの国の映画なのかな?と途中まで観ていたら、「Hola/オラ」という挨拶が聞き取れたのでスペイン映画か〜と気付きました。

それにしてもスペイン人の挨拶は抱き合って頬をくっつけてチュッと音を出したりめちゃめちゃ濃厚です!日本だと初対面でハグしたり握手をするなんて考えられないですね。

あとスペイン人は結婚をあまり重視しないと聞いたことがありますが、サラはルシアがダビッドに「離婚の危機よ?」と言っていたので妻と書きました。

情報量が多い映画なので字幕だと追うのが大変でしたが、それなりに面白かったです。ただ、モニちゃんがアプリをダウンロードしたことで未来がどうなったか気になるのでそこが消化不良です。

今すぐ人工知能が襲ってくることはないはず…ですが、ネット犯罪の被害が怖いと分かりつつなかなか対策までは面倒で気が回らないという方にも啓発の意味でおすすめの映画だと思います。