風茹茶(フォンルーチャー)は、澎湖では子どもからおとなまで知っているような昔から愛飲されてきたハーブティーです。澎湖茶とも呼ばれ、ティーバッグ・ペットボトルで販売されているので手軽に試せます。
風茹草というキク科のハーブを収穫した後、洗浄・天日干しで乾燥させて利用します。風茹草の日本名はセリバノセンダングサといいます。
沖縄でも同じ仲間のセンダングサが薬草としてハーブティーや化粧品の原料として活用されています
私も澎湖に自生している野生の風茹草を実際に収穫から乾燥、お茶にするまで手作りしたことがあります。
そしてそれを使って風茹茶石けんまで作りました。マスキングテープもそうですが、ハマるととことん突き詰める性格です(笑)
私と同じ世代の澎湖人に風茹草について聞いてみたら「子どものときによく摘んで遊んだね〜」というようなことを言っていました。
今回は澎湖の風茹草についてまとめました。
風茹茶(澎湖茶)とは?
煮出した風茹茶は発酵させたウーロン茶のような色をしています。
澎湖は離島のため、高い山などの遮るものがなく風が強く吹き抜けます。塩害もあり、通常のお茶の樹(カメリアシネンシス)の育成には適していません。
そのため風茹草をお茶の代用品として用い習慣的に愛飲してきた歴史があり体にこもった熱を取りのぞくとされています。
風茹茶(澎湖茶)の風味は?
台湾茶のような「茶葉のお茶」ではなく、どくだみ茶や杜仲茶のような少し独特の健康茶に近い風味です。
ふだんからハーブティーを常飲しているなら美味しいと感じると思います。
ただそこまで強いクセはないので、比較的飲みやすいです。真夏の暑い中でいただくと、特に美味しく感じます。
ペットボトルでの販売は、無糖と砂糖入りがあります。私はふだんからお茶は無糖派ですが、砂糖を加えると紅茶のような感覚で飲めるので、甘い風茹茶もけっこう好みでした。
野生の風茹草を収穫してから乾燥まで
実際に風茹茶の販売に関わっていた澎湖人に、野生の風茹草がどんな風に生えているか、どんなハーブなのか教えてもらいました。
第一印象は、雑草…??(←失礼)
「ここは絶対に現地の人しか分からないだろう」と思うような、サボテンと崖にはさまれた小道を歩いて上っていくと一面緑の原っぱへ到着しました。
生えている場所はたくさんあるそうで、そのうちの3箇所教えてくれました。ひとつは有名観光スポットの近くでほかは崖の近くです。
はじめはどれが風茹草なのか全く分からなかったのが、ひとつまたひとつとだんだん見分けられるようになっていきました。
鎌を片手にザクザク根元を掘り返して収穫していきます。これがけっこう楽しい作業で、気がつけば日が落ちていました。
帰りには綺麗な夕日も見られて、とても貴重な体験でした。万が一足を踏み外せば崖の下、よくてサボテンの上に落っこちることになるので怖くもありましたけどね…。
摘んだ風茹草は流水で洗浄し土や汚れを落とします。その後、天日干しで十分乾燥させると完成です。
適量をお茶パックに入れ10分以上煮出して飲みます。濃厚で健康茶好きにはたまらない風味で美味しかったです
台湾で風茹茶が話題になったきっかけ
2016年風茹草の効能に対する研究成果が発表され話題になりました。日本は規制が厳しいので、雑誌やガイドブックには絶対に載らない(載せられない)情報だと思います。
台湾人は話題性のあるものが大好きなので、当時はけっこう盛り上がっていました。が、あっという間に鎮火。
結局これがどうなったのかは不明ですが、体に悪いものではないということが分かりました。
風茹茶(澎湖茶)かき氷がおすすめ
台湾旅行といえば、台湾スイーツにも注目
ほぼ澎湖でしか食べられないかき氷と噂の風茹牛奶冰(フォンルーニョオナイビン)があります。私はマンゴーかき氷よりもこちらのほうがお気に入り
軽くて個包装♪澎湖土産に最適
外婆茶の風茹茶ティーバッグ
一番可愛くておすすめなのは外婆茶(ワイポーチャー)のティーバッグです。茶葉タイプもあります。
ところどころ花布のデザインなのが可愛いですね。
個包装のティーバッグが10個入っています。
300ccの熱湯に入れ3〜5分待ってからいただきます。煮出したほうが濃く淹れられますが、それは個人のお好みで
「原茶工坊外婆茶故事館」のほか、お土産屋さんでも購入可能です。
ただ、メインストリートの色々なお土産屋さんをのぞいてみましたが、私の足で確認した限りでは、太平洋というお店だけでした。
私がお土産を買うお店は、数店舗決めていてこちらはそのうちのひとつ。いつも澎湖名産のお菓子黑糖糕(ヘイタンガオ/黒糖蒸しパン)の試供品をいただいていました
そのため結局、黑糖糕は自分で買ったことがないままです。消費期限3日なのでお土産にはできないのですが、機会があれば澎湖でぜひ食べてみて下さい。美味しいです。
在地茶
在地茶というグリーン色のパッケージのものは、けっこうどこでも見かけます。 おそらくメーカーの違い?
味はどちらもほとんど同じだと感じます。こちらは、観光地(二崁聚落・跨海大橋など)でも販売されています。
澎湖茶石けんを作ったときは、一部工程にこちらも使いました。
まとめ
- 風茹茶(澎湖茶)は澎湖島の名産品
- 風茹草は島に自生している
- 風茹草はキク科のハーブ(セリバノセンダングサ)
- 根を掘り起こし天日干しにして作られる
台湾本島ではほとんど流通していないので澎湖のお土産としてもおすすめです。外婆茶の場合、賞味期限は2年間あるので、自分土産・バラまき土産に最適です。