台湾は外食文化が盛んです。その特徴がよく現れているひとつとして、一人暮らし(または二人暮らし)用の通常の部屋にはキッチンがないことも多いです。
例えば、私が実際に台湾人の大家さんに借りて住まわせてもらっていた部屋の間取りも、12畳くらいの部屋+バスルーム(シャワー・トイレ・洗面台)で、キッチンはありませんでした。
その代わり、お家賃はとってもリーズナブル。
外食オンリーでもなんら問題はないのですが、やはり多少は自炊したくなります。
台湾人が大同電鍋を持って留学するといわれるように、私は日本から炊飯器を持参し、炊き込みご飯をよく作っていました。
先日の西宮神社のえべっさんで天津甘栗の屋台を見ていたら、悪魔の顔に見えるとも話題になった秋の食材、菱角(リンジャオ/ヒシの実)を具材にしたことを思い出したので書いてみました
日本では馴染みのない菱角(リンジャオ)とは?
菱角(リンジャオ)は、菱の実のことです。台湾では秋冬に市場で山積みになって売られているのをよく目にします。
「悪魔の顔に似ている」と3年前くらいに話題になっていましたが、私はヒゲに似ていると思います。どこにも公開しないですが、気分が乗って撮ったヒゲ風自撮りもありますw
このままだと少し異質な雰囲気ですが、黒い皮をむくと栗のような実があらわれます。
中身はハートで、実はちょっとcuteな食材です
栗のように甘く、ホクホクとした食感でなかなか美味しい。
加熱済みですぐ食べられる菱角には割れ目が入っており、簡単に剥いて食べることができます。
100元分買ったら、20個以上入っていました。生のまま売られていることもあります。
加熱済みのものは足がはやいので、買ったらなるべくその日のうちか、遅くても翌日に食べるのがおすすめです。
日本から持参した相棒!な炊飯器
Amazonで当時8千円台で購入した東芝の炊飯器です
小型でちょうど良い3合炊きサイズをスーツケースにポンと入れて持って行きました。
初めは必要ないでしょ~と思っていましたが、結局「食堂で10元の白ごはん単品」の美味しくなさに耐えかねて買いました。硬くてすぐパサパサになります…。
ごはんにこだわりがあり、鍋でごはんが炊けない環境の場合はあると便利だと思います。
今は1~2食分炊けるミニ炊飯器がトレンドだそう
炊飯器は、台風などの天候不良のときや外出できない日に活躍していました。風邪やお腹をこわしたときには、お粥も炊けますしね。
と書きつつ、実際は炊かずに買う場合も多かったですが
キッチンなしだと後片付けが大変なので…。
お粥ならサーモスなどのスープジャーで保温して作るのが手軽で最適です
帰国するときには、お世話になったカフェの老闆(ご主人)がもらってくれました。今も現役だと嬉しいな。
台湾のベストセラー炊飯器といえば、大同電鍋(ダートンディエングオ)です。台湾では使わなかったのですが、今は日本で使っています
お米と炊き込みご飯用の調味料
台湾で自炊のために一番利用していたスーパーは、農會超市(農会スーパー)です。ほかのスーパーと比べて、生鮮食品や食材が豊富な印象でした。
自宅にキッチンがあれば、地元の市場でお魚やお肉を買っていたかも?
野菜と果物、調理済みのピーナッツや、珠螺(ジュールオ)という澎湖の巻貝などはけっこう買っていました。
台湾の無洗米
無洗米も販売されています。とはいってもそのまま炊くのではなく、何度か飲料用の水(水道水は使わない)でとぎます。
こちらと限らず、台湾のお米はあまり美味しくはないものの、そこまでまずいというほどでもない味でした。
水を少し多めに入れて炊くと、ちょうど良い硬さになりそこそこ美味しく頂けました。
そういえば、澎湖島ではレンジでチンして食べるパック入りのごはんは見かけたことがなかったです。
都会だと手に入りやすいですが、現地だと需要がないので置いていないのだろうと思いました。ちなみに納豆は冷凍で販売されており、より意外でした。
めんつゆ
カツオ風味のめんつゆを選びました。色合いは濃いですが、ふつうに美味しく使えました。
無糖のしょうゆ
台湾の醤油は砂糖が入った甘いものが多いです。
刺身醤油は甘いのを使うのが好きですが、炊き込みご飯には一般的な醤油が使いたいので、無添加のものを探して購入しました。
ほんだし
ほんだしは台湾でふつうに買えます。烹大師(ポンダースー)は、ほんだしの当て字。
台湾限定のほんだしにホタテ味もあります。台湾リピーターには人気がある調味料ですね。そちらのほうが少し安価だったのですが、いつものカツオ味を選びました。
ほんだしおにぎりはおかか風味でなかなかいけるお味です。味の素は常備していないけれど、味の素の恩恵を感じます。
炊き込みご飯の調味料の配合
お米2合目安
- めんつゆ…大さじ3
- しょうゆ…大さじ1強
- ほんだし…小さじ2/3
菱の実で炊き込みご飯
澎湖の北辰市場(ベイチャンシーチャン)で販売されていた新鮮な二枚貝のむき身を頂いたので、こちらもついでに具材のひとつとして使うことにしました。
ほかに、たっぷりのしめじをプラス。キノコで免疫力をつけよう作戦。
炊き上がりの様子。
具が多い(笑)ほかにもおすそ分けする方がいたので、具材をたっぷりにしたらこんなことに。
菱角(リンジャオ)を入れると、栗の炊き込みご飯を食べているかのようでした。
ほんの少し貝の風味が主張してきたので、生姜の千切りがあればもっと美味しかったかなと思います。
ホタテ貝柱としめじの炊き込みご飯も作った
ベビーホタテとしめじバージョン。
こちらのベビーホタテは約230円、しめじは日本と同じくらいで100円前後だったと思います。ホクトのぶなしめじが台湾でも普通に販売されていました。
具をたっぷりとお米の上に乗せて。
3合炊きなので2合までの炊き込みご飯が作れます。
炊きあがりの様子。
混ぜ合わせます。
ベビーホタテの出汁も出ていて、これが一番美味しい組み合わせでした。
キッチンのない部屋で調理をするデメリット
簡単なものなら、調理自体はあまり大変ではないですが、洗い物に手間がかかることがデメリットです。ひとつ洗うのに、なかなかの時間がかかります。
料理は、片付けと並行しながら数品を仕上げていくものなので、作る場所があっても洗い場(シンク)がないのはけっこうキツイ。
また、キッチンではないところで洗い物をするのは衛生面のほかに、気分的にも良くなく、あまり乗り気になれませんね…。
台湾では外食のみで生活できる
台湾ではフルタイムで共働きの世帯が多いため、外食やテイクアウトで食事をすませることが日常的。いたるところで小吃店という個人食堂があり、たいていのものはテイクアウトができます。
私が食べていたもので例をあげると、
台湾味の小籠包
皮が厚めでモチモチとした食感で、薄皮のものより"食べた感"があります。中は肉汁スープがたっぷりの「湯包/タンバオ」という名前の小籠包です。
朝、職場にビニール袋に入れて上からビーっとタレをかけた小籠湯包を持ってきて食べている人がいました。
チキンステーキ
with麺バージョン。実は、台湾ステーキのおともは麺のみだと思い込んでいて、withごはんバージョンがあることに、数年間気付きませんでしたw
また、澎湖には台湾のステーキチェーン店「我家牛排」があり、サラダバーのみの利用も可能なんですよ
サバヒー(虱目魚)のスープ・ごはん
サバヒーは台湾では主に台南や高雄といった中南部で食べられており、サバヒー雑炊(虱目魚粥)が有名です。
台湾人は自炊しないの?→します!
台湾では妻やお母さんが料理をしなかったとしても責められません。その代わり、たくさん働いて稼ぐ力が一番求められるのだなと感じました。
私の周りの日本人男性と結婚した台湾人女性の中で専業主婦は思い当たらない気がする。
もちろんすべて外食ではなく、みなさん思っていたよりもけっこう自炊していますよ
料理上手な人(性別問わず)もたくさんいます。まとめ
澎湖(ポンフー)の秋には、コアラのような見た目の三點蟹も出回ります。加熱済みなので、持ち帰ったらすぐ食べられて幸せのひとときでした
こちらでカニ炊き込みご飯も作れば良かったな。
キッチンなしの部屋でも、料理が好きで苦にならないなら「できる」と言えますね。電子レンジや炊飯器があれば、ある程度できないこともないからです。洗い物が手間ですけども…。
実は調理禁止のアパートも多いです。私の場合は、電子レンジや炊飯器は問題ないと言われました。ごはんを炊いたら、レトルトのお味噌汁で一汁一菜、完璧